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「上海緑色建築技術産品展」報告記

上海緑色建築技術産品展

 中国の建築業界人に向けた「上海緑色(エコ)建築技術産品展」は6月7日~9日まで上海展覧中心(上海市)で開催した。これは上海市が主催する「第3回上海国際省エネ博覧会」の一部。上海現代建築設計の主導で、今回初めて設計事務所10社と8カ国企業が出展し、エコ建築を呼びかけた。出展200ブース、来場者7600人とまだ小規模だが、ディベロッパーや設計士らが集う建築のイベントとなった。出展した日本企業には、販促やマーケティングの好機会となった。

 


中国で緑色建築を広げたい
設計事務所10社8カ国企業が参加


 上海市政府が主催の「上海国際省エネ博覧会」は今年で3回目。上海市の省エネウィーク(6月15日~)に先立ち、家庭向けに省エネ家電の体験館などを設けた。

 

 建築部門の「緑色建築技術産品展」には、8カ国企業と設計事務所10社が参加。主催者で、上海現代建築設計グループのMATi・総経理の蔡○氏は、設計士(工程師)が主動力を発揮し、レベルアップにつながったと評価する。(※○は女+亭という字)

 

 蔡氏は、「今回初めて設計事務所10社が集まり、緑色建築を訴えた。06年に上海市が制定した建築省エネルギー設計基準(GEB)が定着してきた。6つの省エネ、『エネルギー、水、空気、土地、維持管理、材料』が今回のテーマ」と説明する。

 

 会場は中国企業・欧米館・日本館・設計事務所のエリアで構成。出展企業は全200ブースで、建築部門の出展企業は約半数。大半が中国企業で、外国企業は30ブースだった。

 

 蔡氏は、外国企業との交流が必要だと指摘する。「現代建築設計の主導で、サンテックパワーなど中国の環境・省エネ関係の大手は全て出展。しかし、今回の出展は国際色がまだ少な過ぎる。足りない。世界の製品・技術がどんどん入っているが、中国企業は経験不足で導入の仕方が分からない」という。

 

 日本企業の技術は最重視し、今年から日本館を設けた。帝人(株)日本設計(株)など外国企業で最多の9ブース、26社が出展(表)。

 

 欧米館ではアメリカ、ドイツなど6カ国が出展。太陽熱、地熱ヒートポンプなどの自然エネルギーや外断熱用の塗料が目立った。

 


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販路拡大のポイントは住宅ディベロッパー提携

 

 外国の住宅・建材メーカーが中国で拡販する際に不可欠なのは、住宅ディベロッパーとの提携だ。主催者で、日本館を担当した上海マート・副総裁の付伝禄永氏は、中国最大の住宅ディベロッパー万科(本社:深仙)などと日本企業のマッチングを企画した。万科はすでに東京建物(株)などと合弁している最大手。日本企業の評価も高かった。

 

 上海伊藤忠商事の経理・今井寿氏は、日本と中国では販路が違うと説明する。「日本のディベロッパーは設計を依頼し、ゼネコンが材料の選定をする。一方、中国ではディベロッパーが材料の購買から工程管理までを行う。ゼネコンは工事のみ。」

 

 最近は、スケルトン渡しからインフィル(内装・設備)込みの住宅が増加したため、今井氏は内装業者にも注目しているという。

 

 付氏が伊藤忠建材のプレゼンに集めたのは、中国ディベロッパー10社、建築会社10社、設計事務所10社。

 

 「展示会ではマッチングの質を最重視。万科は、本社の深仙から副総裁・購買副部長が来場した。ゼネコンでは、森ビルなみに高額な工費で有名な龍元(本社:浙江省)顔をだしてくれた」と付氏。


 

日本メーカーに追い風
住宅の小型化・工業化

 

 「日本の建材メーカーにとっての追い風要因は、マンションの小型化。収納や機能性を重視した日本製の小型キッチンに注目が集まっている」と、伊藤忠建材(株)の山本和男首席代表は指摘する。

 

 06年度、「住宅建築規範」が改正され90㎡以下の部屋がマンションの70%以上を占めることが義務づけられた。このため1部屋60~70㎡のマンションへと小型化が進んだ。

 

 背景にあるのは、中国政府が進める「住宅の工業化」。エネルギー、水、原材料、土地の4つの節約「四節」と、住宅の質向上を目指している。建材・生産システムの規格化や標準化が進んだ日本企業が見本となる。

 

 中国で建築物(空調・照明等)がエネルギー消費量に占める割合は約30%、建築材料の生産まで含むと46・7%にもなる(チャイナ・プレス)。都市部だけで年8~9億㎡の住宅や公共施設が建設される中国では、建築の省エネは必要不可欠になってきている。


 

建築関係者が来場者の大半

 

 悪天候や国民の祭日に重なり、3日間の参加者は約7600人と予定を下回った。施設、宣伝、集客イベントなど、まだ手作り感があり、不十分な面もある。一方、建築関係者が来場者の大半を占め、日本企業にとってはマーケティングに格好の機会となった。
 MATiの蔡氏は「多くの建築関係者に参加を呼びかけ毎年続けることで、中国でもっと緑色建築の理解を深めたい」と語った。

 

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(本紙 本村槇子)

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