現在位置 : トップページ > 東急グルメフロントがシンガポールの大手豆乳チェーン「ミスタービーン」を日本展開

東急グルメフロントがシンガポールの大手豆乳チェーン「ミスタービーン」を日本展開

 東急グルメフロント(本社・東京)が、シンガポール最大の豆乳ドリンクチェーン「ミスタービーン」日本第1号店(フランチャイズ)を1月29日、東急百貨店東横店南館2階の渋谷駅改札口近くに出店した。「ミスタービーン」はシンガポール国内に55店舗を展開する大手チェーンで、シンガポール国外への出店は今回が初めてとなる。

 
 渋谷駅の改札口を出ると、豆乳の香りが漂ってくる。階段を下りると、先月オープンしたばかりの豆乳専門店「ミスタービーン」のスタンド型ショップに女性が並んでいるのが見える。シンガポールの日常的な光景が、日本の若者文化の発信地・渋谷に登場しているのだ。
 
シンガポールで愛されている「豆乳」
現地ではチャンギ空港など中心に55店舗展開
 
 日本ではあまり馴染みがないが、中国系が人口の約75%を占めるシンガポールでは、朝食時はもちろん、様々な食事で豆乳が登場し、レストランやファストフード店などでメニューとして並ぶ。そんな中、「ミスタービーン」は豆乳チェーンとしてチャンギ空港やMRT(シンガポールの地下鉄)主要駅などを中心に展開するトップブランドだ。一切添加物を加えていない絞りたての豆乳と、豆乳を使って作ったプリンの「豆花(トウファ)」や、日本の大判焼きに似た「パンケーキ」といったスイーツで現地の若者を中心に人気を集めている。
 
 この「ミスタービーン」の日本展開を開始したのは㈱東急グルメフロント。同社は東京急行電鉄の100%出資子会社で、「しぶそば」「シンガポールマジック」などを直営で展開するほか、「ドトールコーヒー」「スープストックトーキョー」など様々なブランドを運営するメガフランチャイジーだ。同社が海外企業と提携するのは今回が初めての挑戦となる。
 
日本からアジアに出るだけでなく、アジア各国の文化を日本に
「アジアの将来のためになれば」
 
 シンガポール「ミスタービーン」1号店は1995年、中心地からほど近いチャイナタウンにあるホーカース(屋台村)の一角でオープンした。それ以来、シンガポール各地に店舗を広げ今に至る、「メイド・イン・シンガポール」のブランドだ。
 
 こうしたアジア独自の外食ブランドを日本で展開する理由を、東急グルメフロントの木村知郎社長は「少子高齢化が進み、市場が縮小する中、アジア各国に日本の飲食企業は活路を見出している。日本の食文化は海外で親しまれているが、一方でアジア各国の食文化は日本でどれだけ親しまれているのか。日本がもっとアジア各国の文化に触れ、決して一方通行の情報発信にならないことが重要だ。このプロジェクトが、そんなアジアの将来のためになればと強く思っている」と語る。
 
シンガポール国際企業庁の紹介で出会う
理念の共通もポイント
 
 木村社長が「ミスタービーン」と出会ったのは1年ほど前。
 
 当時、東急グルメフロントは二子玉川に直営でシンガポール料理店「シンガポールマジック」を出店したばかり。この時から「シンガポールのブランドを日本で展開できないか」と考え、シンガポール国際企業庁の紹介を受け、複数の現地外食・飲食企業と商談を実施してきたという。
 
 その中の一つが豆乳ドリンクをスタンド型ショップで提供する「ミスタービーン」だった。東急沿線の物件を得意とする東急グルメフロントにとって、わずか数坪の狭い立地で出店できるビジネスモデルが合致。フランチャイズ式での提携となった。

 

 海外との提携は言葉の壁や物理的な距離といった問題があり、提携先とのトラブルが心配されるが、「ミスタービーン」のブランド元であるスーパービーン・インターナショナルは、シンガポールでもっとも優秀な企業に贈られるSingapore Prestige Brand Awardを3年連続で受賞するなど、シンガポールを代表する企業。売り上げの一部を発展途上国の子供たちに送るなど社会貢献活動を積極的に展開しており、東急グルメフロントと「企業理念が共通している」こともあり、提携に踏み切った。
 
現地の製造方法そのまま
細かいところで日本向けにローカライズ
 
 日本で展開するにあたり、現地の店舗デザインを手掛けるデザイナーをそのまま起用し、シンガポールのイメージを重視。メニューについても豆乳ドリンクや大判焼きに似たパンケーキなど、基本的にシンガポールと同じラインアップにし、製造方法も日本人スタッフがシンガポールで研修を受けた。
 
 ただし、「細かいところでは日本向けのローカライズを実施している」と同社担当の小板真博氏は話す。例えば、豆乳独特の豆っぽいにおいに慣れていないお客様向けに、バニラやマンゴー、タピオカといったフレーバーメニューを増加。また、シンガポールではパンケーキの中身にツナなどの食事系のメニューが多いが、日本ではチョコレートなどの甘いものをメーンにした。
 
 さらに日本独自の工夫として、「豆乳=健康食」という日本人のイメージを重視し、シンガポール現地ではドリンクに最初から入っている甘みを加えず、シロップを付属。お客様が自分で甘さを調整できるようにもしている。
 
(続きは紙面で)

▲ページの先頭へ